好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】
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「桜城くん? 別に来なくてもいいけど」
「だからすきだよ、海雨(みう)」
放課後、私は病院にいた。私立だけどかなり大きな病院。入院している幼馴染に逢うためだ。
梨実海雨(なしみ みう)。私の幼稚園からの友達。
海雨は今、ドナーを待つ身。
元々身体が弱く、高校に入学しても入退院を繰り返していた。
薬治療をしているが、根本解決するなら器官を取り換えるしかない。
私はその、適合者だった。
医者を脅して調べさせた。医者は半泣きだった。私は強きだった。海雨のためならそのくらい何のそのだった。
窓の方を見るように、ベッドのふちに並んで腰かける。
海雨は髪を左肩に寄せて緩い三つ編みにしていた。