好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】
そんなことを思ってしまった。
あの憂いの理由が自分だったら?
もう逢えないものと思っているから? ――いや、だからそんなことを。
考えるな。
考えては駄目だ。
あの子とは一緒にいてはいけない。
恋しいなら、愛しいなら。
だからあの子に逢うことは出来ない。
愛したら殺してしまいかねない自分の血。
もう、感情についた名前は知っている。
だから、ここで止まれ。