美男子ガイド。
浜上学園へ入学してからしばらく。ほんの少しだけど、慣れ始めてきた頃。



「聞いてるかー?今から浜上学園の学園祭(文化祭)に出す模擬店を決める。あまり予算出しすぎはきついぞー。ちゃんとそこも考えておけ。奈知と愛川。進めてくれ」
川本先生が言った。
全く、生徒に興味ないんだからなあ……



「何がいいですかー?意見がある人は言ってください」

「……。」

奈知もやる気…なしか。


「はい!!!オレたこ焼きの屋台したいねんけど!!!」
さすが大阪っ子。勇希が言った。


「はいはいはいッみんなでお化け屋敷しない?!」
以外にも礼也君が。でもおもしろそう。


「文化祭は屋台って決まってんねん!!!お化け屋敷とか何?俺は反対ー」


「はあ?何でそう決まってるわけ?たこ焼きとかそんなもの食べたくもない!」


「何やって?もう一回言ってみいや!」


「何回でも言ってあげるよ。たこ焼きなんて食べたくありませーん。何か?」





この一言で勇希がどうなったかは、言うまでもない。
そして、クラスも騒ぎ始めた。



「もう!何でケンカになるわけーっ?!みんなそこはフツー盛り上がるところじゃないでしょっ?!先生も何か言ってくださいよ!!!」


「楽しめ楽しめ」
先生はそう一言言い、読んでいた「孔雀とカメ」という本に視線を戻した。

なにが孔雀だカメだ!どこがおもしろいのよ!?


「奈知ー奈知も止めてよ。もうあたし限界」
こりゃ疲れきったな、ジブン。






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