美男子ガイド。



「………。」


「………。」



あたしの部屋で奈知と2人っきり。
お母さんは奈知を彼氏だと勘違いして、奈知をあたしの部屋へ向かわせた。

ありえない……

これは空前絶後の気まずさで。




「熱…大丈夫?」

一応聞いてみる。38℃だなんてあたしひいたことないかも。



「大丈夫じゃねえよ」


おでこには熱さまし用のシート。
顔は真っ赤だ。
だけど奈知はベッドから起き上がる。



「ねときなって。あたしのベッドなのは我慢してよね」



「………。」

すると素直に寝てくれた。


ていうかさあ……


うちの親ありえないでしょ!!!


『あんたがなんとかしなさい』

お母さんにそう言われて、お父さんは大丈夫なの?って聞くと


『あ、お父さんは書斎で泣いてるから大丈夫でしょ』って………



どこが大丈夫な訳!?

つーか泣いてんのお父さんっっ




しかも彼氏と勘違いはしてるけど、一夜を男女が同じ部屋でって……



「いくらなんでも…」


「いくらなんでも何だよ」


寝ていた奈知が言った。


「何でもない。ていうか何でびしょ濡れになった訳!?」

そうそう。おかしすぎでしょフツーに。





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