美男子ガイド。
「……。笑わねえか?」
真顔で言われた。
「……。笑わない」
「本気で?」
「うん」
すると奈知は話し始めた。
「……。家の方向に帰ったと思ったんだよ」
「うん」
「だけど着いたのは愛川ん家方面で」
「小園南?」
「そう。方向真逆だろ?でもなんか意識もうろうとし始めて……」
「え、やばいじゃんそれ」
「公園に着いたんだ。でっかい公園。そこの噴水の周りのベンチに座ってた。しばらくして立ったとき、めまいがして−−」
「めまいがして?」
「噴水の中にバッシャンって」
「こけたんだ(笑)」
「笑ってんじゃねえよ」
「えっでもっ、あはは(笑)」
我慢出来ずにあたしは大爆笑した。
奈知がドジるなんて笑える(笑)。