美男子ガイド。




「……。笑わねえか?」

真顔で言われた。



「……。笑わない」


「本気で?」


「うん」



すると奈知は話し始めた。

「……。家の方向に帰ったと思ったんだよ」


「うん」



「だけど着いたのは愛川ん家方面で」


「小園南?」


「そう。方向真逆だろ?でもなんか意識もうろうとし始めて……」


「え、やばいじゃんそれ」



「公園に着いたんだ。でっかい公園。そこの噴水の周りのベンチに座ってた。しばらくして立ったとき、めまいがして−−」


「めまいがして?」



「噴水の中にバッシャンって」


「こけたんだ(笑)」


「笑ってんじゃねえよ」


「えっでもっ、あはは(笑)」

我慢出来ずにあたしは大爆笑した。
奈知がドジるなんて笑える(笑)。





< 168 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop