美男子ガイド。
「はあ はあ はあ」
河上高は坂の上にある。つまり今は坂道。
あともうちょっとなのになかなか進まない。
「奈知っもう少し押せない?!」
「はあ?!これ以上無理だって」
「もう……先生意味わかんないしーっあーっもう!!!」
「そんな騒げるんならもっと押せよ」
「うるさい…ああ゙っ!」
前を見てなかったのが原因か、お年寄り並に足腰が弱いのか、あたしはつまづいた。
奈知が助けてくれて、こけずにはすんだけど……
その瞬間手押し車から手を離してしまった。
奈知もあたしの側にいる。
ということは……!!!
ギィィィィ…
ゆっくりと坂道を逆走し始める手押し車。
どんどん加速し始める。
「やばいって奈知!」
そう、坂の下にはおばあさんがいた。あたし達はそのおばあさんを抜いてきたのだ。