美男子ガイド。
「只今から浜上学園学園祭前夜祭をはじめたいと思います」
3年の学年代表……生徒会長の一言で、浜上学園学園祭の前夜祭は始まった。
まずは学園長の言葉。
そして各学年代表者の挨拶。
「入学してから初めての行事なので、少し緊張していますが楽しんでいこうと思っています」
奈知の言葉。たしかに少し緊張してる。
いつの間にか話は終わり、まだ春といっても夜の体育館は寒くなった。
バッッ
いきなりまわりの電灯が消える。
「きゃー!!!」
「何?どうなってんの?!」
パニックになる生徒たち。
「暗くてわかんないよー、沙也、どこっ?!」
あたしは沙也を呼んだ。
「大丈夫。これ、演出だから」
冷静に彼女は言う。
演出?
「先生とか妙に落ち着いてるでしょ。ドッキリなのこれは」
「ああ、そっか」
納得したあたしは静かに明かりが灯るのを待っていた。