大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「大王…
私の愛しい人…」

私は、大王の背に腕を回し、胸に頬を寄せた。

大王はその顎をしなやかな指で掬い上げ、私の唇に口づける。

そしてそのまま、鹿皮の上に横たえられた。

大王はそのまま私の口の中に舌を差し入れ、私の舌を絡め取っていく。

同時に胸をまさぐられ、思わず、背を反らせ、身を捩るが、大王は構わず私の体を撫でていく。

裳裾(もすそ)を這い上がる手を感じ、思わず、手を添えて止めようとすると、

「アヤ、大丈夫。
アヤが嫌がる事はしない。」

と優しく囁かれる。

私はそっと手をほどいた。

私は大王に全てを預けて、大王と初めて結ばれた。

私が香久山に来て、半年が過ぎていた。
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