大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
思いがけない大王からの誘いが嬉しくて、私はうきうきと片付けをする。

ふと庭を見ると、ハヤが複雑な表情でこちらを見ていた。


これは、ハヤに気の毒な事をしてる?


私は少し申し訳ない気分になった。

それでも、大王との外出は嬉しくて、私はそそくさと支度をして、大王に連れられて外に出る。

「ハヤ!」

大王が声を掛けた。

「戻ってくるまで、休んでおって良いぞ。」

「はい。」


大王との野駆け。

戦に行かれたら、しばらくはできない。

だから、大王も誘ってくださったのかな?

馬上から、のんびりと景色を眺める。

「大王。」

「ん?」
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