大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
・:*:・:・:・:*:・
空が黄昏れてくると、先程とは違う女が食事を運んできた。
聞けば、女たちは、女官といい、この宮廷で働いているのだという。
食事は、見た事もないような、豪勢な食事。
いつも羹(あつもの)や焼き魚、米や粟を炊いた物を食べていたが、ここでは、その他に、いくつもの品が並んでいる。
私の家は、里でも決して貧しい方ではない。
むしろ、献上品の機織りを生業とするため、他の家より、かなり豊かな生活を送ってきた。
なのに、大王はこれ程に贅沢な暮らしをしているのか。
私は、感動と憤りの混じった複雑な思いで、その食事を食べた。
だけど、おいしい食事のはずなのに、1人で食べる食事は味気ない。
「お母さん…」
ポツリと呟くと、頬を涙が伝った。
しばらくして、女官が、膳を片付けに来た。
女官が去ると、また1人きり。
毎日、機織りをし、家の事を手伝い、朝な夕な忙しく暮らしていたいた私には、何もする事がないというのは とても辛い…という事を 初めて知った。
空が黄昏れてくると、先程とは違う女が食事を運んできた。
聞けば、女たちは、女官といい、この宮廷で働いているのだという。
食事は、見た事もないような、豪勢な食事。
いつも羹(あつもの)や焼き魚、米や粟を炊いた物を食べていたが、ここでは、その他に、いくつもの品が並んでいる。
私の家は、里でも決して貧しい方ではない。
むしろ、献上品の機織りを生業とするため、他の家より、かなり豊かな生活を送ってきた。
なのに、大王はこれ程に贅沢な暮らしをしているのか。
私は、感動と憤りの混じった複雑な思いで、その食事を食べた。
だけど、おいしい食事のはずなのに、1人で食べる食事は味気ない。
「お母さん…」
ポツリと呟くと、頬を涙が伝った。
しばらくして、女官が、膳を片付けに来た。
女官が去ると、また1人きり。
毎日、機織りをし、家の事を手伝い、朝な夕な忙しく暮らしていたいた私には、何もする事がないというのは とても辛い…という事を 初めて知った。