大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「無理です。」

私が答えると、

「ふっ
そうか。
では、これからは俺がアヤを笑顔にしよう。
アヤがいつも笑顔でいられるように、俺が
アヤを慈(いつく)しもう。」

そう言って、大王は私の手をぎゅっと握りしめた。

「痛っ!」

私は思わず、小さく声を上げる。

大王は驚いて握った私の手を見た。

「これは…
針仕事でか?」

「………はい。」

大王は、痛々しい私の手を持ち上げ、そのまま口に含んだ。

「っ!
大王!?」

私は焦って手を引こうとするが、大王にしっかりと握られていて、引く事ができない。

どうする事もできない私は、どんどん顔が火照るのも止められなかった。
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