大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
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夕刻。

朝と同じように食事を終えると、朝と同じように大王は私を抱き寄せる。

夕餉の後は、何も薫らない。
いつもの大王の匂い。

「アヤ、おやすみ。」

大王が去っていく。

何だろう?
胸の奥のざわざわが大きくなってる。
苦しい…



ハヤ、助けて…

なんでかな?

大王がいる時より、大王がいなくなった後の方が苦しいの。

ハヤ、あなたは今、何をしてる?

ハヤ、あなたは今も、私を想ってくれている?




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