大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「大王を困らせたいわけではないんです。
大王を苦しめたいわけでもないんです。
ただ、食べられないだけで…」
大王は国中から、私が食べられそうな果物を集めてくれていた。
桃、山葡萄、木苺、瓜、梨
他にも遅生り(おそなり)のビワやスモモ
早生りの柿やアケビ、ナツメ
各地から私のためだけに珍しい品が届けられる。
それが申し訳なくて、心苦しくて…
「大王、お願いがあります。」
私が言うと、
「なんだ?
アヤの望む事なら何でも叶えてやる。
言ってみろ。」
大王の声が、表情が、とても優しい。
「私を里に帰してください。」
大王の表情が曇った。
「アヤ、それだけはできない。
アヤは俺のそばにいるんだ。
アヤを手離す事は、できないんだ。」
大王の声は、とても苦しそうで切なくて聞いているだけで涙が溢れる。
大王を苦しめたいわけでもないんです。
ただ、食べられないだけで…」
大王は国中から、私が食べられそうな果物を集めてくれていた。
桃、山葡萄、木苺、瓜、梨
他にも遅生り(おそなり)のビワやスモモ
早生りの柿やアケビ、ナツメ
各地から私のためだけに珍しい品が届けられる。
それが申し訳なくて、心苦しくて…
「大王、お願いがあります。」
私が言うと、
「なんだ?
アヤの望む事なら何でも叶えてやる。
言ってみろ。」
大王の声が、表情が、とても優しい。
「私を里に帰してください。」
大王の表情が曇った。
「アヤ、それだけはできない。
アヤは俺のそばにいるんだ。
アヤを手離す事は、できないんだ。」
大王の声は、とても苦しそうで切なくて聞いているだけで涙が溢れる。