大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
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10日後。

私は大王の馬に乗せてもらって、鹿狩りへと出発する。

「大王、今日はありがとうございます。」

馬上で私は大王にお礼を言う。

「いや。
ただ、覚えておいてほしい。
アヤは俺の全てだ。
この国と引き換えても惜しくない程、
大切なんだ。
だから、絶対俺のところへ
帰ってくるんだぞ。」

それって………

大王の座よりも私が大切…って言ってる?

「はい。
お約束いたします。」



ハヤとの事がきちんとできたら、その時は私は大王のために生きよう…

名実共に正妃となれるよう、精一杯努力しよう…

私は、密かに心に誓った。
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