初恋は終わらない
***

あれから、とりあえず校内に入ったはいいけど、


どんな顔してひまりに会えばいいんだろうとか、利哉とはどんな会話したらいいんだろうとか、


無駄なことばっか考えながら空き教室で時間を潰していた俺は、


2限目の終わりを知らせるチャイムが鳴ると同時に空き教室を出た。



どのみち、ひまりとの関係はさっきのでギクシャクするのが目に見えてるわけで、


このままギクシャクするくらいなら、いっそ…。ひまりを誰かに取られる前に、当たって砕ける。



───やっと、覚悟が出来た。


幼なじみを捨てる覚悟がつくまで、すごい時間がかかったけど……


このままただの幼なじみを演じるなんて、きっと最初から無理があったんだ。



だって、ひまりのことがこんなに好きだから。


教室にたどり着いた俺は、バクバクうるさい心臓に"落ち着け!"と念じながら、ひまりの姿を探す。


見つけたひまりは、ぼんやりと机に頬杖をついたまま座っていた。
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