初恋は終わらない
これから自分の気持ちを告げる。
そう思うと、心臓はどんどん激しく鳴り響いて、

身体中の血液が沸騰してるんじゃないかってくらい熱い。



「ひまり」


「……そ、そーちゃん?」


「ちょっと」


「わ、ちょっ……!」



ひまりの席まで意を決して進んだ俺は、驚くひまりの手を握りしめて、教室から引きずるように連れ出した。


驚きすぎて声も出ないのか、抵抗することも無く、俺に手を引かれるがままに歩くひまりは……今、何を考えてるだろう。



しばらく歩いて辿り着いた空き教室。

───ガラッ



中に誰も居ないのを確認して、もう一度強くひまりの手を引いた。


後ろ手でドアを閉めれば、途端に空き教室が俺とひまり、2人だけの空間に変わる。



それが、こんなにも緊張するものだなんて思ってもみなかった。
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