初恋は終わらない
「……OK、出来なかった」


「え、」


聞こえてきたのは、俺が予想してた答えとは違った。

俺の都合いい聞き間違い?


それとも……


「そーちゃんのせいだからね」


「……?」


「せっかく、生まれて初めて告白してもらえたのに。……気付いたら、私の頭の中、そーちゃんでいっぱいになってて、もう他のこと考える余裕がなかったの!」



───っ!?


「ひまり……それ、」



困った顔して、躊躇いがちに口を開くひまりは、自分の言ってる言葉の意味を絶対分かってない。



そんなこと言われたら、



「だって、彼氏が出来てもそーちゃんが1番大事って……ダメでしょ?」



そんなこと言われたら俺、期待する。




───グイッ


繋がれたままのひまりの手を力任せに引っ張れば、その華奢な体はいとも簡単に俺の胸の中へと収まる。


こんなに簡単なことだったのに。
近くにありすぎて、俺たちは随分と遠回りしたらしい。





「……っ、そーちゃ、」



ひまりの背中に腕を回して、壊れないように強く抱きしめれば、心底驚いたようにひまりが俺を呼んだ。
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