初恋は終わらない
そこに特別な恋愛感情が無くても、ひまりが俺のそばにいてくれるなら、それでもいい。


そう思ってた。



───今、この瞬間までは。




「……は?」


「だーかーらー!
告白されたの!坂本くんに」



───ドクッ



「坂本くんって……まさかと思うけど、利哉?」


「そう、同じクラスの。
そーちゃんの大親友、坂本くん!」


「それ、マジで言ってる!?」


「そーちゃんは驚くかなぁって思ってたけど、やっぱり驚いた?岡本ひまり、生まれて初めて告白されちゃいました〜」



"へへっ"なんて、口元を緩ませるひまりとは反対に、無意識的に眉間にシワが寄る俺。


いや、だって……そりゃ驚くって。


いつも通りの通学路。


学校へと向かっている今、やけにルンルンのひまりが、鼻歌混じりにスキップまで披露している。


それにしても……相変わらず鼻歌だけで音痴だって分かるひまりのソレは、調子ハズレ過ぎてこんな時だってのに気が抜ける。
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