初恋は終わらない
「だって昔から、"爽やかでかっこいい〜"ってモテモテでさ。そーちゃんって自分から告白とか、したことないでしょ」


そりゃ、自分から告白なんてしたことない。
だって、昔からずっと、俺が好きなのはひまりなわけだし。


ひまり以外にの子に"好き"って言葉を使う日は多分、一生来ない。


……来て欲しくないとすら思ってんだから。



「みんな俺のこと買いかぶり過ぎなんだよ。別に爽やかってわけじゃないし、俺」


「んー、確かに。私の前では、そーちゃん爽やかが薄れるよね。みんなにはキラースマイル繰り出してるくせに」



そう言って少し前を歩いていたひまりは、急に立ち止まると俺を振り返って、

グッと俺に詰め寄った。

思わずその距離の近さにドキッとする俺に、ひまりは全然気付いてない。ほんと……無自覚。


「なんでそーちゃんが彼女作らないのか、みーんな気にしてるよ?」


少し背伸びがちに俺をのぞき込んで「なにか理由でもあるの?」って続けるひまり。
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