初恋は終わらない
「OK……すんの?」


「それが、よく分かんなくて。……そーちゃんは、どうしたらいいと思う?」



少し上目遣い気味に俺を見上げて、俺にとって酷な質問を繰り出すひまりは、無自覚に俺の理性を試している。



「……利哉、いいヤツだよ」


「うん、それは何となく分かる」


「多分。利哉の彼女になったら、笑って過ごせると思うけど」


「それって、付き合うべきだってこと?」



気付けばあっという間に校門前。


登校する他の生徒たちが、みんなゾロゾロと校舎へと向かって歩いていくのが見える。


「……付き合ってみれば。彼氏欲しかったんでしょ?ひまりは」


なんて、気づけば思ってもないことを口にしていた。

本当は利哉の告白なんて断れよって言いたいくせに、告白して今の関係を壊す勇気もない俺が、


親友の勇気を……ぶち壊していいわけがない。


かと言って、今までみたいに笑って『応援する』って言ってやれる自信も、今の俺にはなくて。


俺はどうすればいい?
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