天狗に愛されてⅡ
『それにしても光陽が
この山を留守にする回数が異様に多くない??』
そのおかげで小天狗ちゃんとの特訓に励めるけど。
「それは…。」
私の疑問に小天狗ちゃんは少し暗い顔をした。
『もしかして、封印…解けそうなの??』
「…お師匠様のおかげでなんとか保ってる状態です。
四つの社である南は消滅、
西ももう殆ど力がなく、東は譲葉様の手元に。」
私の手元にある鏡は
東の社を守護していた妖が姿を変えたもの。
『それじゃ、光陽は本来なら四人でする封印を
たった一人でこなしてるのね…。』
「僕に…そのお役目が務まる程の力があれば
お師匠様に楽させてあげられたのにな……。」
そう言って笑う小天狗ちゃんは少し悲しそうだった。