天狗に愛されてⅡ
沐浴を終えて暫くすると光陽が帰って来た。
『おかえ…何、その怪我!!』
所々に怪我をしてるせいで着物に血が滲んでいる。
「こんなのかすり傷だってぇ〜。
譲葉は心配性だなぁー。
ここには邪神水もあるんだし。」
邪神水は妖の怪我や病に効く水で、
この山にはその水が湧き出ている。
『それなら早く治す!!蛇太郎ー!!』
〈あいよ〜♪〉
ビシャーッ!!
蛇太郎が目一杯口に含んだ邪神水を
光陽に吹き掛けた。
「ぶぅぅー!!
おい…何も口に含んだ水でなくても良くないか…??」
怪我は治ったけど着物はびしょ濡れになった。