THE FOOL
これは・・・・、
さすがに・・・・。
緩んだバスローブから下着のみの自分の肌が露わになって、熱い体に空気が触れる。
だけどもすぐに別の熱をその部分に与えられ、鎖骨に唇が触れた瞬間に硬直の解除。
さすがに働く危機感で雛華さんの肩を掴んで牽制すれば、すかさずその手をベッドに縫い付けられて唖然とした。
う・・・そ・・・。
まさか・・・・本気で?
本気でそういう事しようとしてるの?
ここまでされて声もあげず抵抗もしなかったのは、今までの雛華さんの抱擁の記憶があったから。
彼にとってはそういう意味はないただの実証にすぎないのだと、まだどこかで安易に思ってたし信じていた。
信じたかった?
なのに、
さすがに許容範囲を超え始めたそれは探求心によるそれだと目をつむる事が出来ず、注意を促すように伸ばした手は呆気なく押さえこまれ無駄に終わる。
いや、ちょっと・・・待ってよ。
さすがに・・・・無理だよ・・・・。
声に出したいのに混乱が勝り、声を出す行為をどうするのかも分からないで無駄に身捩って刺激に耐える。
逃げ出したいのに自由の効かない下半身と拘束された手。
触れる唇が胸の始まりの膨らみに差し掛かった瞬間にゾクリと感じた。
「・・・っ・・あ・・・やっ___」
限界____。
「雛華さんっ____」
「___はぁい」
視線が絡むより早く返された、軽い悪戯っぽい返事。
止んでいた肌への刺激。
そうして捉えた雛華さんは悪戯に笑う子供の表情でそのグリーンアイを私に向ける。
今も暴れる心臓を感じながら今までの行為なんて全くなかったかのように私を無邪気に見降ろす姿を見つめてしまう。
あれ?
今私、何か色々されていたよね?
そんな疑問も抱いてしまうほどの困惑。
縫い付けられていた手もあっさりと解放されていて、唯一そのままなのは前がはだけたバスローブの状態。
自分のブラジャーに覆われた胸から腹部まで、ようやく空気に触れひんやりと感じる。
つまり・・・・今の事は確かにあった事なんだ。