愛されない結婚と愛される不倫






「へえ、……って、おいこりゃ珍しいな、って突っ込むべきなのかな?」

 

「さあ?」



私は手を口に当てて少し笑った。こういう意味のない、ただ吐き出すためかのような会話……何年ぶりだろう?多分、今の私には時代遅れのギャクでも笑ってしまうだろう。



自分の前進に係るべく、あるいは主張、保守、そういう俗物な意味を含んだ会話ばかりしていたような気がする。



何だか……軽い。言葉も所作も、軽いと気もふわりとした感覚になれる。心地いいんだ……これ、いい。





< 26 / 36 >

この作品をシェア

pagetop