忘れられない君との夏。
「俺も行くよ、持つ」
「ん、ありがとー」
うん、こういうさりげなさもモテる理由なんだろうな、分からなくはない。
洸は小学校の時、徒競走で惜しくも二位で大号泣していた私に一位を譲ってくれたし、中学の時、パン食い競争で焼きそばパンをゲットできずに密かに悔し涙を流していた私にこっそり焼きそばパンをくれた。
ていうかなにしてんだ私。
「秋センは?補習見てくれるんじゃないの?」
「あのテキトー教師は用があるとか言ってさっさとクーラーガンガンの職員室に逃げたよクソが」
「秋セン、葵のこと大好きだからなあ」
「いや今の話でそこいく?」