忘れられない君との夏。


「ああああああああ」


「うわ、高3になってまでやる?」


教室。


扇風機の前に立ち、私は恒例の「我々は宇宙人だ」を披露した。


それなのに冷めた目で見られるとは。


「普通やるでしょ、ほら洸も」


私は呆れている洸の腕を無理やり引っ張る。


「わっおい、やめろって、やんねーよ」


これだからイケメンは、かっこばかり気にして。


「いいから!」


私の鋭い眼光に負けて、洸は渋々口を開ける。


「わ…我々は宇宙人だ…」


「…恥らってる時点で負けだね」


「何にだよ!」


私はスルーして席に着く。


さて、始めるとするか…


「あれ、全然終わってないじゃん」

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