忘れられない君との夏。
「…あのさ、スラスラ解けたら補習いないよ?」
「…まあそれもそうか」
私は再びプリントに顔を向ける。シャーペンを指で器用にくるっと一回転させる。
…1時間後。
「…あれ、まだ一問も進んでな…」
「だーかーらー!分かんないの!こんなの一人で解けないの!てゆーか解かなくていいの!」
私は罪のない洸にわめき散らす。
ごめん、洸は悪くない、決して。
「…俺が教えてやろーか。」
「え?」
予想外の言葉に、私はキョトンとする。
「俺も自分の復習になるし、どうせ自習でこれからも学校来るつもりだったし。どう?」
「…の?」
「え?」
「神なの!?」
こうして、洸と私の一週間が始まった。