忘れられない君との夏。
2日目
「あれ、今日はやけに調子いいじゃん」
朝、グラウンドから昨日と同じように亜美が駆け寄って来た。
「ん?そう?」
「昨日は死んだ魚の目してたけど、今日はちゃんとキラッとしてる」
「ふっふっふ…なんと洸が私に数学を教えてくれる!」
「…ふーん、そう」
「救いだと思わない?ほんと、神だよね!」
私に肩を掴まれた亜美は、どうどう、と興奮する私をなだめる。
「ま、よかったじゃん、これで未来も安泰だね」
「ふふふ、おかげさまで」
「ま、後輩のファンには殺されないようにね」
う、そうだ、それがあった。
「…気をつけます」
特に一個下にはボス的存在がいると聞いた。
「洸先輩はみんなのもの」
をモットーに、近寄る女を排除するとか。
全部亜美情報だけどね。