忘れられない君との夏。
「はー!やっとお昼だあ〜」
12時になり、私はシャーペンを放り投げて思い切りのびをした。
私はカバンからお弁当袋を出し、その中からお弁当箱を取り出す。
「あれ、葵が作ったの?」
「私が作る人に見える?」
その言葉で、洸は察したように頷き、自分もコンビニの袋からおにぎりを出す。
「いただきまーす」
「いただきます」
校庭からはまだサッカー部やソフト部の声が聞こえてくる。
「葵は亜美たちの試合、見にいく?」
「うん、最後だからね」
私はグラウンドをぼーっと見ながら答える。
「洸も行くでしょ?」
「おー、ていうか大体行くな、小学校組は」
「そだね、洸の陸上も行ったし」
「2ヶ月前か?すげー昔に感じるな」
洸は私の隣に並んでグラウンドを覗きながらそう笑った。
「みんなで洸ー!って叫んだんだよ、聞こえてた?」
「聞こえた聞こえた、特に葵の声は」
「えっうそ、恥ずい」
「葵、声デカイからな」
「そんな?亜美とかの方がデカイよ」
ごめん亜美。なんかごめん。