忘れられない君との夏。
お昼を食べ終えて、再び取り組み始めてから2時間ほど経って、私はプリントを先生に届けるために職員室に行こうと席を立った。
ほぼ同じタイミングで前のドアが開き、秋谷先生が顔を覗かせる。
「あれ、相原もいんのか」
「あ!ナイスタイミング〜」
私は先生にプリントを渡す。
「おー、お疲れさん。そうか、なんも聞きに来ないからおかしいと思ったら相原か。いやー助かる」
「先生、本音出てますけど」
私は不真面目な自分の担任を容赦なく睨みつける。
「あ、それよりちょっと頼みごとがあってだな」
それよりっておい!
「これ、ちょっと2人でやってくんねえかな?」
爽やかに微笑む担任の手には、ホチキスとプリントの束が収まっていた。