忘れられない君との夏。
ひとまず教室から離れて、私たちは旧校舎との渡り廊下に移動した。
「えっと、話って…」
「単刀直入に聞きます。洸先輩とはどういったご関係なんですか!?」
高野さんの勢いに気圧されて、私は少しの間喋ることができなかった。
「えっと、そうだね、なんというか…クラスメイト?いや、それだとちょっとよそよそしすぎるんだけど…うーん、幼なじみっていうのは言いすぎで…」
「そうじゃなくて!付き合ってるのかどうかです!」
「付き…!?まさか!そんなそんな」
私は大袈裟に首と手を同時に横に振る。
「じゃあどうして洸先輩はわざわざ視聴覚室ではなく先輩と2人で教室で勉強をしているんですか!?」
「それは…」
初日に、女子が多くて集中できなかったって言ってたけど、それを言うのはやっぱりデリカシーに欠けるよね…
「あ…そう!私が数学ができなすぎて、洸に教えてもらうように頼んでるの!」
嘘はついてないよね?