忘れられない君との夏。


聞きなれた声に、私は笑顔を作ることなくそちらを向く。


「うわー、マジで来たんだ」


「そりゃそーよ、呼ばれたんだもん」


女子ソフト部の友達の亜美は、「かわいそ〜」と言いながら顔がニヤついてる。


いつもなら蹴りの一つでもお見舞いするところだが、あいにくそんな元気もない。


「なになに、葵なんかしたの?」

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