忘れられない君との夏。
私は、真っ白な天井を見つめる。
「…言えるわけないじゃん」
そんなことが言えるのは、洸の人生にこれからずっと関わり続ける人だけだ。
私たちは、一度はどこかで切れる。
「じゃあ葵自身は?」
私、自身?
「言えるとか言えないとか抜きにして、葵自身は、洸に行ってほしくないの?」
「…私は」
私は、どうしてほしいんだろう。
洸に、ここにいてほしいんだろうか。
「…わかんない」
分かるのが、怖い、のかもしれない。