忘れられない君との夏。
「洸先輩!」
高野さんが私たちに気づいて手を振る。
ざっと7、8人はいる女の子たちが一斉に洸の周りに集まった。
「まってました!行きましょう!」
「うん、浴衣いいね〜かわいい」
洸の言葉に、胸がもやっとする。
嬉しそうに笑う後輩たち。
これを望んだのは、私なのに。
前を進む洸たちの集団をゆっくりと追いかけて歩く。
途中洸が私をみて「来て」と口パクしたが、気づかないふりをした。
どんどん足が重くなる。