忘れられない君との夏。
洸の背中は、小学校の頃とは違ってしっかりしてて、大きい。
当たり前のことなのに、ドキドキする。
洸は男の人なんだって言われてるみたいで、触れてるところから熱が全身に伝わる。
公園のベンチに私を座らせると、洸は下駄を脱がせてくれた。
「絆創膏、持ってる?」
「あ、うん」
私はカバンから取り出すと、洸に取られてしまう。
「自分でできるよ」
「いいよ、帯苦しいだろ」
そうだけど…急にそんな風に優しくされると、変な感じだ。
いや、洸はいつも優しいんだけど、なんか、女の子みたいに…
って私は女の子なんだけど!
頭がぐるぐるして、わけわかんなくなる。
「はい、できた」
「あっ…ありがとう」
洸の顔が、見れない。
私、洸に緊張してるんだ。
こんなの初めてで、どうしていいかわかんないよ。