忘れられない君との夏。


「…おはよー」


なんとなく緊張しながら教室に入ると、洸はもういつもの席に座っていた。


「おはよー」


洸は、いつも通りだ。


…やっぱり意識してるのは私だけ?


「あれ、いつもの寝癖がない」


「え!?そんなにいつもある!?」


私は洸の後ろの席に座る。


「うん。あと、ここ」


洸の手が伸びてきて頭の左側を撫でる。


「ここもいつもある」


「…」


急に触られて、体が固まってしまう。


いつもなら、平気だったのに。


「あれ、葵?なんか変」


「なんでもない!」


私は洸の手を持ち上げてどける。


私ばっかり意識してて嫌だ…

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