忘れられない君との夏。
「…よし、扇風機を借りよう」
立ち上がったのと同時に、教室のドアがガラリと音を立てて開いた。
「あれ、葵?」
ドアの方を向くと、少し驚いた顔をしたクラスメイト、相原洸がたっていた。
「なに、部活なんかやってたっけ?」
「…写真部。まあゆるいから春には引退したけど」
「おーそうだったかも。じゃあ、なんで?」
こいつ、とぼけた顔しやがって。わざとか?
「ほ!しゅ!う!デキる洸には私の気持ちなんて分かんないでしょーね!」
「あー、そうだそうだ。」