目を閉じたら、別れてください。

目を閉じたら、別れてください。

あの夜から私は嘘はやめた。
会いたかったら、忙しくても会いに行く。疲れていても会いに行く。
そして逃げていた結婚式も前向きに取り組んだ。

エステは一番安いブライダルコースを頼んだのに、沢山オプション用意されていて結局ボーナスが半分は飛んでしまいそうな額になって震えている。

そして、なんとここにきてホッとしたのか幸せ太り。
前撮りまでもう一か月もないのに二キロ増えていた。

ので昨日から夜ご飯をサラダに変えてお昼も鳥のささみのハムとこんにゃくゼリー。

おかげでお腹が空きすぎて気分が少し悪かった。

「先輩、顔色悪くないですか」
「あー……コルセットのせいかな？　きつく締めてる」
「骨盤ダイエットですか？　ちゃんとエステに通ってるなら担当さんと相談して実行しなきゃですよ？」

私の目の前で、新作のハンバーガーとポテトを食べながら呑気に言っている泰城ちゃんが羨ましい。

ドレスの最終衣装合わせで、背中のファスナーは閉まった。
閉まったけどファスナーの上に乗った肉。
きつく締めた背中の肉が上にもりっと乗ってしまったあれ。

花で装飾して隠すって言われたけど、あれは少し私でも恥ずかしい。