目を閉じたら、別れてください。
「うん。朝とかほぼすっぴん」
「すっぴんに何も言わない男は、私のデータではいい男です。すっぴんの方が可愛いとか、俺といる時ぐらい化粧しろよとか言っちゃう系の男より、自然と受け入れてくれる人の方がいいですよ。トイレもすんなり一緒に入ってくれるし」
「いやあ、……トイレはいいかな」
参考になるやらならないやら。
ただ進歩さんが、トイレまで一緒に入りたがる人ではなくて良かった。
「というか、先輩、顔色悪いですね」
「うそ。無理ないダイエットしてるのに」
「800カロリーに抑えて水飲んで、駅は一つ分長く歩く、これだけで十分って言ってましたよね?」
「そうそう。だからなんでだろ。生理前だからかな」
本当は、朝も抜いて昼もサラダで、夜ご飯も隙あらばカロリー低いものと変えたり、進歩さんが遅いときは抜いたりと涙ぐましい努力をしている。
「でも背中のラインとか二の腕とかちょっとすっきりしましたね」
「そうでしょ? ドレスに試着もそこまで肉がドレスに乗らなかったし。コルセットは痛いけど、細く見えるならもっと強いのでもいいしね」
「あんまダイエットはまると駄目ですよお。胸が小さくなっちゃうんですから」
「気を付けまーす」
が順調にラインがきれいになってきているなら少しだけ安心だ。
でも今日は立ち上がったら少し眩暈がしたので、夜も少しご飯を食べようと思った。