目を閉じたら、別れてください。

好きじゃない。
嘘を吐いて別れた。
別れるつもりがなぜか抱かれた。

抱かれたが好きではない。
なのに、拒んでいるのに会ってしまう。

矛盾というか、自分の態度がいい加減すぎて信じられない。

自分はもう少し淡白だと思っていた。淡白であっさりしていて、恋愛に色々振り回されるのが面倒で、適当に流して生きると思っていたのに。

どうしてこうなったんだ。

「……男心が分からない」
「男心が分からない、入りましたあ。よおし、笹山さあん」

ちょうど入口から入ってきた笹山に甘えた声で手を振ると、いとも簡単にデレデレと寄ってきた。

「ちょっと女二人じゃ解決できない悩みができまして……夜ご飯奢ってください」
「めっちゃ直球。いいよ。何食べたいの?」
「は?」

なんで奢ってもらうの目的って分かってるのに良いの!?
普通ならうぜえで断るんじゃないの。
顔がいいから?
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