目を閉じたら、別れてください。
「いやあ、ないない。笹山とか私を全く女あつかいしてないし」
「それは君が、笹山に全く興味ないからだろ」
こののっぺりしたよっしーさんは何者なんだ。
笹山の友人なら二つ上?
「君が飲み会に現れる日に、俺と笹山が一度だけ飲み会に侵入しててさ。話しかけてみようぜってなってたんだ。その時、多分あいつもいたよ。君の元婚約者」
「うお。そういえば同じ大学だったかも」
観光学科は短期大学部寄りの建物は短大に近かったから、学食とかも短大の方を使っていた。だから他の学科は、サークルでもやってないとほぼつながりがない。
何千人と居る大学生よりも、短大の方が少ないし楽だったこともある。
大学祭はもちろん、欠席していた。
「で、君を迎えに来た、年上のイケメンを目撃して『ああ、この子はイケメンの彼氏がいるからあんなに他の男に興味ないのか』って結論になってね」
「イケメンの彼氏とかいません」
「君の叔父さんなんだっけ? あの時は大学生に、外車乗り回すイケメンは敵わないからね」
「まあ叔父さんはイケメンですけど」
乙女脳で、私と少女漫画を共有するような人でロマンチック熱望し婚期を逃している人だけどね。
でも大学の時、同じだったね、って話は盛り上がらなかったけどなあ。
お見合いの時、そんな話にならなかったし。
「で、さっきの話に戻るけど」