目を閉じたら、別れてください。

それにしても、元仲人とはいえ叔父さんにまで心配されるなんて。
私と彼はどうやら周りから見ても安定していない関係らしい。

あのまま、我慢してお互い呑み込んで、結婚までしていても破綻の道しか考えられなかった。
けど、今はどうだろう。
彼との結婚のビジョンが見えない。喧嘩しそうだし甘い雰囲気なんてほど遠い。

なのに、一回酷い嘘を吐いて嫌な自分を見せてしまっている分ちょっと楽なのかもしれない。

ちょっとだけ。

「はー。ご馳走様でした。やばい、ウエストきつい」
 明日、制服が着れなくなりそうで怖い。やはり人の金で肉を食べるのは最高だ。

「結婚するなら、ちゃんとしておきなさい。彼も会社を継ぐために色々足場作りで忙しいんだから」
「ぶっ。急に何?」
「仕事も……辞めた方がきつくないなら辞めた方がいいよ」
「え?」

「社内恋愛禁止じゃないが、風当たりが良くないかもしれない」
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