青い僕らは奇跡を抱きしめる


 こうして俺の不登校は始まった。

 俺は決して殴ってきた奴らが、怖かったわけではなかった。

 それよりも、自分に降りかかる理不尽さが俺の心を蝕んだ。


 努力しても報われないものを感じ、自分が思い描いている人生へと進めずに一気にやる気がなくなっただけだった。


 朝起きるのも億劫となり、このままでは生きていくのも辛く感じてしまう。

 最後に残っていた矜持も消えてしまうことで、俺は全てに諦観し、それを受け入れ、後は全てに冷めてどうでもよくなってしまった。


 これも一種の目覚めであり、自分で気がついた悟りともいえるかもしれない。

 ただ、無気力でありながらも、常に心はイライラとしてしまう。


 こういうとき反抗期になるのだろうが、母親が苦労している姿をみてるだけに、八つ当たりの怒りをぶつける事は極力避けた。


 その分、自分を痛めつける行為へといってしまい、俺は隠れて自分で自分の体を傷つけていた。

 ナイフで線を描くように腕の皮膚を切る。

 まるでリストカットをしているようだが、自殺しようとしてるわけではない。

 痛みを感じることで自分の中の鬱憤と戦うような、どこまで自分はこの痛みに耐えられるのか、自分を自分で虐める行為だった。


 心の中は荒んで自棄を起こしていた。
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