青い僕らは奇跡を抱きしめる


 あの時に売られた喧嘩は、俺はしっかりと買ってしまい、そして勇敢にも戦いに挑んだ。

 だが数の多さで俺には断然不利であり、俺も取り押さえられて思いっきり殴られた。


 しかし俺が抵抗してあの派手な生徒を殴ったとき、俺の右の拳には鍵が挟まっていたせいで、それはちょうどあいつの頬の辺りを血に染めた。


 5針縫うくらいの傷を与え、もし殴りどころが悪ければ俺は奴を失明にさせていたかもしれないと母親から思いっきり叱られた。


 俺だって口元を切り、顔が思いっきり腫れて痛々しい姿だったのに、そのことよりも警察沙汰となって、補導されてしまったことを母親は自分の躾が悪かったとまで言い切って、自分自身を責めていた。


 警察の処分は、良くある子供達の喧嘩で大事にはならなかったが、俺としては納得がいかない。


 一番の原因は向こう側にあるのに、俺に謝れと相手の玄関先で無理やり頭を下げさせられたことも、侮辱の何者でもなかった。

 またここで俺は屈服され、悔しい思いをする。

 お互い悪かったということであっちの親も渋々納得して、喧嘩両成敗の意向になったが、俺はその時吼えてしまった。


「こうなったのも、そっちが悪いんだ。俺が学校を転校せざるを得なかったのもそいつに虐められてたからだ。俺は何も悪くない」


 しかし、大怪我をしたのは俺じゃなかった。

 この場合どっちが悪いかよりも、怪我の大きさで俺の方が武器を使った事で卑怯だと返された。

 結局はすっきりしない謝罪となり、相手の親は俺の態度で逆切れしてしまった。


 母はひたすら謝罪するばかりだった。

 なぜそんなに謝らなければならなかったのか。


 俺にはその時全く理解不能だった。
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