青い僕らは奇跡を抱きしめる
3
「もちろん大丈夫よ。兜ちゃんのことは心配ないから」
伯母の対応を聞いていると、どうやら、兜を今晩預かって欲しいと頼みにきた様子だった。
これから必要なものを持って病院に行くため、小さい兜は足手まといになるし、また一人で留守番させるにはまだ小さすぎる。
無理を承知で、伯母に助けを求めに来ていた。
伯母はすぐに理解して、少しでも重荷を軽くしてあげたいために喜んで引き受けた。
兜は不安そうに、焦点も合わせず、虚ろな目をしていた。
俺が手招きしてやると、兜は母親と伯母の顔を交互に一度見て、許可を取ってから家に上がった。
「それじゃお願いします。本当にご迷惑お掛けしてすみません」
「全然、気にしなくていいから、兜ちゃんの事は私たちに任せて、とにかく安心して出かけて頂戴ね」
伯母は葉羽の母親を労い、なんとか励まそうとしていた。
すでに心労で疲れ切っていた母親は、気を張りつめ踏ん張ってはいるが、少し突いたら簡単に崩れそうだった。
俺もまた不安でいたため、去ろうとしていた母親に、迷惑顧みず咄嗟に声を掛けた。
「あの、葉羽は大丈夫なんですか」
母親は神経がすり減っているのに、精一杯の笑みを俺に向けて気を遣ってくれた。
「ええ、大丈夫よ。悠斗君、心配してくれてありがとう」
「その、落ち着いたら、必ず会いに行くって伝えてくれませんか」
「わかったわ。葉羽に会ったらすぐに伝えておく。葉羽もきっと喜ぶと思うわ」
そして静かにドアを閉めて、行ってしまった。
「もちろん大丈夫よ。兜ちゃんのことは心配ないから」
伯母の対応を聞いていると、どうやら、兜を今晩預かって欲しいと頼みにきた様子だった。
これから必要なものを持って病院に行くため、小さい兜は足手まといになるし、また一人で留守番させるにはまだ小さすぎる。
無理を承知で、伯母に助けを求めに来ていた。
伯母はすぐに理解して、少しでも重荷を軽くしてあげたいために喜んで引き受けた。
兜は不安そうに、焦点も合わせず、虚ろな目をしていた。
俺が手招きしてやると、兜は母親と伯母の顔を交互に一度見て、許可を取ってから家に上がった。
「それじゃお願いします。本当にご迷惑お掛けしてすみません」
「全然、気にしなくていいから、兜ちゃんの事は私たちに任せて、とにかく安心して出かけて頂戴ね」
伯母は葉羽の母親を労い、なんとか励まそうとしていた。
すでに心労で疲れ切っていた母親は、気を張りつめ踏ん張ってはいるが、少し突いたら簡単に崩れそうだった。
俺もまた不安でいたため、去ろうとしていた母親に、迷惑顧みず咄嗟に声を掛けた。
「あの、葉羽は大丈夫なんですか」
母親は神経がすり減っているのに、精一杯の笑みを俺に向けて気を遣ってくれた。
「ええ、大丈夫よ。悠斗君、心配してくれてありがとう」
「その、落ち着いたら、必ず会いに行くって伝えてくれませんか」
「わかったわ。葉羽に会ったらすぐに伝えておく。葉羽もきっと喜ぶと思うわ」
そして静かにドアを閉めて、行ってしまった。