あなたの幸せ、買い取ります [短編]
あなたの幸せ、買い取ります[短編]
「あなたの幸せ、買い取ります。」

 こんな胡散臭い店にまさか自分が行くことになるとは思ってもいなかった。
そう、私は金欠なのだ。とにかくお金がない。しかし私は夏休みに友人と夢の国に行きたいのだ。こんなにお金がいるなんて夢の国じゃないじゃないかと思うが心にしまっておこう。
なんでこの店に頼ることのなったのかはちゃんと理由があるのだ。

 私は高校生である。つまり、学業が最優先である。しかしながらそんなことをちゃんと守るようないい子ちゃんではないのである。

中学生の時は部活動のせいで夏休みとはバイバイした。3年生の夏休みは受験勉強で潰された。
無念。しかし今は高校生。私を縛るものはいない、と言いたいところだが人生そううまくいかないものである。私の前に立ちふさがった鋼鉄の高い壁、そう金欠だ。金がねえ。

 バイトをすればいいと考える、甘い。親が許してくれない、というより働きたく無いのである。要はめんどくさいのである。バイトをしない理由なんてみんなそんなものでしょう、たぶん。

 何かを得るには何かを犠牲にしなければならない。お金を得るためには何かを犠牲にする必要がある。私は時間と労力を犠牲にしたく無いからバイトはしない。どうしよう、と考えた結果が「幸せを売る」ということだ。
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