あなたの幸せ、買い取ります [短編]

　数日後、友人と夢の国へ行くプランを立てた。どうやってお金を用意したのかを聞かれたが、誤魔化した。どうしてそうしたのかは私にもわからない。
　
出発の前日、私はワクワクしながら準備をしていた。そこに一本の電話が友人からかかってきた。簡潔に内容をいうと、明日、夢の国にいけないということらしい。理由は誤魔化された。
どういうことか理解するのに５分程度かかった。つまり当初の目的であった友人と夢の国に行くということか果たされない。全くの本末転倒だ。
　
夢の国に行く予定だったその日、零さんの」店に行った。
　
「いらっしゃいませ。本日はどうされましたか。」
　
零さんは笑みを浮かべていた。まるで私が何をしに、また何をいうのかがわかっているように笑みを浮かべていた。
　
「幸せを買いに来ました。」