3年後、まだ好きだったなら
 その人との出会いは突然だった。

 初めて会ったのは、化学の実験の時。

「今日はガラスの加工についての実験をしたいと思いまーす。そこにいらっしゃる島田さんが手伝ってくれます」

「よろしく」

「ではまず、お手本を見せてもらいます。島田さん、お願いします」

 島田さんを囲んでガラスの加工の手本を見た。私は隣から見ていた。そうすると思ったんだ。

この人、かっこいい。めちゃめちゃかっこいい。まずなんなの。白衣とか無理。そして眼鏡。しかも肌白すぎでしょ。萌えポイントしかないやん。それで、え、手、白すぎ。長い指、少し浮き出ている血管。美しすぎる。その手でガラス棒持つのやめてぇ、と。

私は横顔と手を見るのでいっぱいだった。
でも、この時はまだかっこいいな、で終わっていた。



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