天使の笑顔で【Remake】






「おはよー」


「おう」


今度はわりと落ち着いてる感じだ


なんだろうな?



「もう大丈夫なのか?」


「な、なんのことかしら?」



白々しすぎるのでとりあえずスルーしとこう



「てか、昨日も発作起きなかったね」


まゆに聞いてみると


「うん!私の潜在能力がそうさせたのかもね!」



なんだよそれ



って思ったけどまゆならありえるぞ



お昼になると



「なーんだ、またキャビアか、困ったもんだ」



まゆはピーマンを箸で持って何か言ってる



もう一度言おう



ピーマンを持ってキャビアと言っている



「何言ってんだ?」


「君もキャビア食べたいだろ?あげよう」



そう言ってまゆはピーマンを俺の顔によこしてきたが



「おいこら、病院食は栄養を考えて作られてるんだからちゃんと食え」



まゆに言うと



「だってピーマン苦いんだもん」



まゆはピーマンが苦手だった



だから俺にあげようとしてたんだろうけど



そうはさせないぞ


まゆの健康には厳しいぞ



その下手くそな小芝居は可愛かった




この日も1日発作が起きなかった



発作が起きないまま元気なまゆを見ると



もしかしたら治るかもしれない



そう思っていた




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