「ねえそこの子達。どうしたの?ひとり?ふたりか。何しに来たの?お母さんは?ご両親が…」
ウワー!終わったー!!!
と思った。「こっち!」
知らない六年生くらい…私達と同じぐらい?かな、そんな子がひょいっとあたしたちの手を引いて走った。人混みを抜ける。
その子は立ち止まって、二人にぎこちなく日本語でにっこり微笑んで話しかけた。
「アー…いきなりゴメンネ。ワタシリンカ、今からキコクするトコロヨ。アナタタチどこへ行くの?アメーリカに行くんだたら一緒に行かない?ワタシ、カレン。あれ、もう言ったっけ?」
プッと吹き出した。どうやら外国人らしい。梨花が「はい」と言って、自己紹介をした。しかも、ご丁寧に私の分も。
三人揃ってアメリカ〇〇〇〇行きの飛行機にギリで乗り込んだ。そのお金とチケットを買う時間はどうしたかって?き、気にしないで。そういう現実的な思考は捨てて。無理。
その子は見るからに貧乏そうだ。そこでいきなりその子は「トラーンプしなーいですか?」と聞いてきた。ちょうどその子のおごりで機内食を食べ終わって暇になっていたので丁度良く、一生懸命になってババ抜きを始めた。それを三、四回やったところで梨花は飽きて、神経衰弱に変えた。場所の問題は聞かないで。無理だから。それは五、六回やれた。梨花の得意中の得意だったからだ。その後二、三時間はついてるテレビでリンカの持ってきていた「ブルー・スター」を見て楽しんだ。
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